「このあと全職員での新年会がありますので、よかったら来て一杯やってください」
1月12日(火)に行われた亀井内閣府特命担当大臣閣議後記者会見(雑誌・フリー等の記者)の後に大臣は記者クラブの記者だけでなく、我々マガジンXスタッフへも新年会に誘ってくれた。
いい機会なので、参加することにした。
今回の記者会見の参加は本誌での記事作成のためだ(内容は本誌3月号の発売をお待ちください)。
会場には金融庁の全職員に相当する約250人が集まっていた。
亀井大臣、大塚耕平副大臣、田村謙治大臣政務官が入場すると満場の拍手が迎えた。
残念ながら会場の写真撮影は禁止されたため、亀井大臣の新年の挨拶を紹介したい。
「みなさん、今年も大変な年になる危険性がある。私は何度も言うように金融庁の仕事というのは人間の体にたとえれば、財務省は胃袋、皆さんは心臓の仕事をやっているわけだ。皆さんが仕事を一所懸命やることでこの国の運命は決まるわけだし、国民の生活も幸せになれるかそうでないかが決まってくる。そういう意味では皆さんは本当に大事な仕事です。この世の大事でない仕事なんかあるわけないんだけど、その中でも皆さん方の仕事は大事な仕事です。
大事な仕事をしていながら皆さんは給料までもらえる。こんな幸せな社会はないと思います。価値のある仕事をしながら、生活ができる。こんな幸せな話はない。
脱官僚なんてくだらない言葉がいわれていますけど、脱官僚ということになっちゃったら金融庁の仕事は一挙にパーですわな。皆さん方が自分たちの仕事を一所懸命やってはじめて金融庁の仕事ができるわけです。鳩山政権が脱官僚なんてありません。皆さんも自覚をして、自分たちが大事な仕事をしているんだということを自覚して、今年もがんばってください。
皆さん方が一所懸命やった結果チョンボした場合、私が責任をとります。そんなことは何にも心配する必要はありません。新聞記者はいらんことを書いたりするだろうけど、あんまり皆さんはそんなことを気にしないほうがいい。マスコミはろくなことを書かんからね。マスコミを気にして皆さんが仕事をする必要は全然ない。いい仕事をすればいいだけ。マスコミが褒めてくれたからいい仕事かなんて、全然関係ない。いまのマスコミの価値判断は狂っている。狂った価値判断で褒められたらかえって心配です。
今年もがんばりましょう!」
この会に出された料理はすべて金融庁の会計から出たのではなく、亀井大臣からのものだという。身内を褒め、激励し、自腹を切って食事を共にする。ある意味で人身掌握の基本だが、これまで金融庁では庁をあげての宴会をやったことは一度もなかったという。
「部局ごとにはやってたでしょうけど、全職員が集まってというのはこれまでありませんでした。先代、先々代の金融担当大臣は兼務だったので、あまり庁内にいてくれず仕事がたまったりしたこともありました。亀井大臣は常駐してくれるので、仕事はやりやすくなりましたね」(ある職員)
若い職員たちは亀井大臣とツーショット写真を撮っていた。
大臣自らアカペラで歌を披露するなど、サービス満載の宴だった。
この1年金融庁がどうなるのか。今後も折をみて会見に参加して、チェックしていきたい。
ちなみに筆者は飲食を一切いただかなかった。会費制なら別だが、部外者であり、よりにもよってマスコミの人間が政治家の奢りで食事をするのは、いかがなものかという気持ちがあったからだ。ストイックだと会場にいた記者にも言われたが、一応、その線は越えないようにしたいと個人的には思った。
(島田健弘)