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[2008/7/15]
【連載31】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話

12-1)もうひとつの「黒革の手帳」

20年におよぶスクープ担当記者の歴史の中で、後にも先にも、「家宅捜索」を受けたのは、13年前のあのときだけだ。編集部にガサ入れされたのはもちろん、私の自宅にも捜査員はきた。
愛知県警の所轄の刑事たちは、ガサ入れ当日のかなり前から内偵をすすめていた。
後から分かったことだが、事務所から自宅までの道のりなど、私が説明もしていないのに、クルマに乗せられてまっすぐ最短距離で向う。
「自宅を知っているのですか」
との私の問いに、刑事は
「家族構成も、あなたのだいたいの帰宅時間も分かってますよ」
と、抑揚ない口ぶりで、あっさりと答える。これには正直、ぞっとした。それまで、こちらは尾行されていたことなど、とんと気づかなかったのだから。
後から地団駄を踏んでも遅い。その後、自宅前で「令状」を見せられ、家内も一緒に証拠写真をとられた。
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