編集部blog
[2008/7/15]
【連載29】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話

11-3)メーカー上層部を怒らせ、呼び出しを喰らう

以前の連載で「ウラ広報」の話しをしたけど、外国人が社長のあるメーカーでは、マガジンXにスクープされた直後に、「○○自動車から依頼を受けてきました」と、編集部に乗り込んできた人がいた。 ふたりでやってきたのだが、その人たちもちゃんと身分を名乗り、自分たち自身の名刺とともに、○○自動車の責任者の名刺を渡す。
もちろん、スクープの情報源など間違っても明かさない。
相手は「法的措置も辞さない」と脅かしたりしてきたが、結局、かなり長時間粘った末、帰っていった。
この後、私は彼らの言っていることが本当なのか、会社ロゴの入ったその名刺の主に電話をかけてみた。もしかしたら、天下の○○自動車を語っているだけかもしれないと思ったからだ。あんなスマートなイメージの会社がこんなやり方をするはずがない。
ところが意外にも、1本目の電話で簡単に名刺の本人が電話に出てきた。
「あなたが△△さんたちを差し向けたのか?」
やや間があったが、あっさりと
「そうです」
と、流暢な日本語で答えてきた。外人である。聞けば、
「社長が怒っている。だから二人を行かせた」
世界に名を馳せる巨大企業にしては短絡的である。もう少し社内で対策を検討してから、具体的行動を起こせば良いのに。その後、本件について、○○自動車から、問い合わせが来ることはなかった。きっと再建が順調に進んでいるのだろう。その名刺は今も大切に保管している。 編集部の隣のお寺の鐘が鳴った。「ごーん」。お後がよろしいようで・・・。
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