編集部blog
[2008/7/15]
【連載21】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話

8-1)クルマ業界人から好悪が激しい「マガジンX」

スクープ記事が柱のマガジンXだけに、皆さんのような一般の読者だけでなく、業界関係者の方々にも好評をいただいている。もっとも自社について批判されていることも少なくないので、「密かに愛読」して下さっている方もいるようだ。その主な人たちが「開発者」と「ディーラー営業マン」の方たち。
以前、この連載で「マガジンXは発表前の事前試乗会には呼ばれない」と書いた。これは今も変わらないのだが、その昔、新型車発表後に開催される「新車試乗会」には、結構招待されていた。
マガジンXだって、新車の記事は掲載するし、もっと言えば、スクープ記事だって、自動車メーカーにとっては、かなりのティーザー・キャンペーンになっているはずである。だから、メーカーにもよるが、昔は試乗会にも出かけていた。そんな場所では、当然だが、新型車の開発メンバーがたくさんいる。
彼らは、新しいクルマの説明員として会場に姿を現しているのと同時に、彼ら自身もマスコミや自動車評論家のクルマに対する印象について、ナマの声を聞きたいと思っている。
そうした場所では、「スクープされた被害者だから、マガジンXが行こうものなら、袋だたきに遭うだろう」と心配してくれる読者の方がいるかもしれない。ところが、心配ご無用。実は、こうした場所では、マガジンXは大人気なのだ。
「マガジンXさんですか? この前の他社のスクープはすごかった。あれ、ホントに出るんですか?」とか、 「ざ・総括の記事はおもしろい」、あるいは
「どうやってスクープを撮るんですか?」と言った、答えにくい質問までされる。 開発者の方たちは非常に情熱的で、記者との議論をむしろ好むのである。まぁ、それでも広報担当者はひやひやである。話しが高じて、自社の従業員が口を滑らせないかだとか、逆に管理職などは、「けしからん!」と思っている人もいるはずだ。もっとも、そんな人たちはなかなかそばに寄ってこないが・・・・。
しかし、こうしたマガジンXと開発者の「仲いい関係」をヨシとしないのが、会場に来ている他の媒体の編集者や評論家である。もちろん一部であると断っておく。
「なんで、スクープ専門誌のマガジンXを招待するんだ」
「あいつらと一緒なら、オレはもうこない」
なんてのは序の口。人によっては、
「マガジンXに弱みでも握られているのか?」
と、あらぬ疑いを広報マンに向ける人もいたようだ。
メーカーとしても、いたずらに波風など立てたくない。こうしてマガジンXはいつからか「招かれざる客」となり、何年か前までは、かなり長い間、試乗会などには参加しなくなっていた。まぁ、別に取材には困らなかったけど。
それでも最近は、スクープが各自動車専門誌では、最早当たり前になってしまって、そこそこイベントにも参加するようになってきたから、皮肉なものではあるけどね。
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