編集部blog
[2008/6/30]
【連載7】元「Xスクープ班」記者の、スクープ秘話
3-2)スクープ情報が集まるスポット
前回とは別のメーカーでの話しである。そこの本社工場は、田舎には違いないのだが、JRの駅からそんなに遠くないところにあった。とは言っても、大した街でもない。こうした駅で必ずと言ってよいほど、存在するお店があるが、おわかりになるだろうか?
駅の売店とか、本屋は定番には違いないのだが、もう少し考えてみてほしい。駅の近くとは言っても、従業員はクルマで動いている。したがって、居酒屋とか、カウンター・バーのたぐいは実は結構少ない者だ。そもそも地方は夜が早いから、あまり遅くまでやっているお店はない。
答えは「カラオケルーム」である。昼も夜も営業していて、気兼ねなく利用できる。列車の駅のそばと言っても土地はあるから、駐車場完備の所も多い。しかも、現在のような大手チェーン店とは違う。通信カラオケなんてとんでもない。レーザー・ディスクとか、そんな時代のことだ。
暇そうな顔でカウンターで、雑誌などを所在なげに読んでいるおばさんが店番をしていた。入店してしまえば、お客が呼ばない限り、カラオケルームの中のことについては無関心である。いまのように防犯カメラもない。
そこの工場従業員と会う機会があった。
「誰にも見とがめられず、会える場所はありますか」
「いいからついてきなよ」
こう誘われて、入ったのがカラオケルームだった。
「ここはBGMをかけておけば、中の会話は外から聞こえないし、喫茶店なんかと違って、外からの死角もあるから、入店してしまえば、誰と会っているかもわからないからね」
「なるほど。」と感心したのを良く覚えている。そこでの会話の中身ややり取りについては、いまは言えない。ご想像にお任せしよう。
その後、地方に行ったら「カラオケルーム」。これが密会の定番になったことは言うまでもない。
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