スクープ
2003年 8月

シエンタ トヨタ
丸モチーフのトヨタ製ミニミニバン シエンタ9月29日発進

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本誌読者にはおなじみのシエンタ。ここに掲載するのは市販モデルの確定写真だ。丸みを帯びた外観フォルムがモビリオとの違いを明確に打ち出している。ボディサイズは4100mm×1695mm×1670mm。

 トヨタが放つモビリオ対抗車シエンタがいよいよ9月29日に発売される。本誌はその存在をいち早くスッパ抜いて以来、逐一情報をお届けしてきただけに“愛着”もひとしおだ。9月号では車両概要を紹介したが、今回はスクープの総仕上げとして確定カラー写真をお届けする。

 エクステリアは曲面や円を駆使した親しみやすいデザインで、直線基調のモビリオとは対照的な路線を突き進む。ターンシグナルを目尻に組み込んだ丸目ヘッドランプは大型リフレクターの採用で十分な明るさを確保。誰にでも運転しやすいよう、ボンネットフード先端は位置が予測しやすい造形となっている。また、ピラー内蔵のリアコンビランプにはスリット形状が採用され、高い被視認性を誇るLEDストップランプが燃費向上にも貢献している。

 内装ではインパネにファブリック柄と幾何学柄が組み合わされるなど、2種類の新シボが用いられて質感アップが図られているほか、左右ウォークスルーも可能なゲート式インパネシフトを装備。

 この種のミニミニバンはパッケージングに差が出づらいものの、シエンタは室内長で80mm、室内幅で40mm、それぞれモビリオを上回っている。逆に室内高はアーチ状ルーフが災いして50mm低いが、世界最薄の燃料タンクが2列目シート下に搭載されることで、どのシートにも大人がキチンと座れ、ヘッドクリアランスも確保できるレイアウトを実現。さらに、ミニバン“お約束”のシートアレンジも豊富で、2列目は5:5分割式のため、チャイルドシートをつけたままでも3列目への乗り降りができる。

 エンジンは既存の1NZ−FE型がベースだが、2WDモデルではバルブまわりが一新されるとともに各部のフリクションロスも徹底して減らされ、低燃費に貢献するCVTの採用と相まって10・15モード燃費19km/リットルを達成。もちろん、全車「超−低排出ガス認定」取得車だ。

 静粛性もアピールポイントのひとつで、トヨタ得意の防音・遮音技術を駆使。走行中でも運転席と3列目シート間で会話が楽しめるよう、作り込まれた。便利装備では、キーを持っていれば運転席側ドアハンドルを握るだけで解錠されるスマートキーや、リモコン操作も可能なパワースライドドアがファミリーユーザーに受けそうだ。

 シエンタが登場する9月には、日産も3列シートのキューブ・キュービックを発売。この秋はミニミニバン市場が台風の目となりそうだ。

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バンパー上から大きく開くテールゲートとスリット状にデザインされたコンビランプが特徴的なシエンタのリアビュー。可倒式ポールアンテナは車両左側にオフセット。
バニラをイメージしたライトイエロー(写真右)、ミントからヒントを得たアクアマイカM、ネーミングそのままのラベンダーマイカMは香りから得られる癒しをイメージしたフレグランスカラーだ。 ライトイエロー

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アクアマイカM

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シルバーマイカM

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ラベンダーマイカM

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ブラックマイカ

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ホワイトパールクリスタルシャイン

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スーパーレッドV

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ホワイト

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ブルーマイカ

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スポーティなグレー内装も設定されるが、とくに注目したいのがコントラストの強いシート色だ。ヨーロッパ車のような濃い色づかいはライバル車では見られない挑戦。

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ツートン配色のアイボリー内装。センタークラスターとメーターバイザーにも丸のモチーフが見られ、シフトレバーフィニッシャーも同様に丸くデザインされている。

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ステップワゴンMCモデルに先を越されたものの、シエンタの2列目シートもレバーを操作するだけで座面がチップアップし、そのまま前方へとスライドさせられる。3列目への乗降時に便利。

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左右独立3列目シートは背もたれを前倒しさせ、本体ごと持ち上げて2列目下へと格納できる。あらかじめ2列目を前方へスライドさせておく必要はあるが、すべて片手で簡単に操作できる。

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2列目シート足元には床下ボックスが備わり、靴や洗車道具をしまっておくのに重宝する。ただし、4WD車の左側にはパンク修理キットが収められる。

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おそらく女性の声から商品化されたであろうシースルーサンバイザーはメッシュ状となっており、日差しを遮りながらも信号の色が確認できる優れモノ。角度を変えれば完全に光を遮断することもできる。スライド式バニティミラーも装備。
●はみ出し情報 その1●
シエンタのコントロールレバー(ライトおよびワイパー)はステアリングコラムとの一体感が与えられたデザインとなる。日産がマーチなどにひと足先に取り入れたデザイン処理と同じような雰囲気となりそう。
●はみ出し情報 その2●
「モビリオの販売もすっかり低調。いまさらミニミニバン市場に参入しても客はいないのでは?」とは、シエンタ登場のウワサを耳にしたホンダ関係者の発言。


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