トヨタが放つモビリオ対抗車シエンタがいよいよ9月29日に発売される。本誌はその存在をいち早くスッパ抜いて以来、逐一情報をお届けしてきただけに“愛着”もひとしおだ。9月号では車両概要を紹介したが、今回はスクープの総仕上げとして確定カラー写真をお届けする。
エクステリアは曲面や円を駆使した親しみやすいデザインで、直線基調のモビリオとは対照的な路線を突き進む。ターンシグナルを目尻に組み込んだ丸目ヘッドランプは大型リフレクターの採用で十分な明るさを確保。誰にでも運転しやすいよう、ボンネットフード先端は位置が予測しやすい造形となっている。また、ピラー内蔵のリアコンビランプにはスリット形状が採用され、高い被視認性を誇るLEDストップランプが燃費向上にも貢献している。
内装ではインパネにファブリック柄と幾何学柄が組み合わされるなど、2種類の新シボが用いられて質感アップが図られているほか、左右ウォークスルーも可能なゲート式インパネシフトを装備。
この種のミニミニバンはパッケージングに差が出づらいものの、シエンタは室内長で80mm、室内幅で40mm、それぞれモビリオを上回っている。逆に室内高はアーチ状ルーフが災いして50mm低いが、世界最薄の燃料タンクが2列目シート下に搭載されることで、どのシートにも大人がキチンと座れ、ヘッドクリアランスも確保できるレイアウトを実現。さらに、ミニバン“お約束”のシートアレンジも豊富で、2列目は5:5分割式のため、チャイルドシートをつけたままでも3列目への乗り降りができる。
エンジンは既存の1NZ−FE型がベースだが、2WDモデルではバルブまわりが一新されるとともに各部のフリクションロスも徹底して減らされ、低燃費に貢献するCVTの採用と相まって10・15モード燃費19km/リットルを達成。もちろん、全車「超−低排出ガス認定」取得車だ。
静粛性もアピールポイントのひとつで、トヨタ得意の防音・遮音技術を駆使。走行中でも運転席と3列目シート間で会話が楽しめるよう、作り込まれた。便利装備では、キーを持っていれば運転席側ドアハンドルを握るだけで解錠されるスマートキーや、リモコン操作も可能なパワースライドドアがファミリーユーザーに受けそうだ。
シエンタが登場する9月には、日産も3列シートのキューブ・キュービックを発売。この秋はミニミニバン市場が台風の目となりそうだ。 |