スクープ
2006年 2月

 プチ・ムラーノ  日産
 ウイングロード顔の日産クロカン発見
 とりあえずプチ・ムラーノって呼んじゃおう
予想発売時期:07年
●全長×全幅×全高:4540mm×1760mm×1670mm
●搭載エンジン:2リットル 直4
Photo. ORION PRESS

 
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テストコースで世界初のナマ撮りに成功した日産・新SUV。ラジエターグリルとバンパー内エアインテークの両方に横ルーバーが配されており、中央にはウイングロードに似た楯状のデザイン処理も見える。 大きくスラントしたフロントノーズに注目
斜め前方から見るとノーズが大胆にスラントしているのがよくわかる。続くキャビンはオーソドックスにまとめられているようで、とくに奇をてらったシルエットラインではなさそう。

“中村ワールド”の一員 SUV市場に殴り込み
 経営計画「日産バリューアップ」を推し進めている同社のテストコースで、見慣れないクルマを発見。年内に国内デビューする新型車がスカイライン1車種のみで、あとは特別仕様車の投入で食いつなぐ一方、舞台裏では07年以降に再び攻勢をかけるべく、ニューモデル開発が精力的に行われていることがわかった。。

 テストカーは見てのとおり、車高の高いSUVだ。日本国内ではSUVのブームが過ぎ去ってマーケット全体が縮小してしまったが、そんな中、エクストレイルは1代にして高い知名度を得た。また、思い切ってデザイン最優先にキャラを振ったムラーノも、異色の存在として見逃せない。

 その日産が新たに手がけているSUVは、一見、フロントマスクがアルファロメオに似ている。グリル中央、ちょうどCIエンブレムが装着される部分に楯を思わせる逆台形の台座が見える。よくよく考えたら、同社のSUV(とくに海外向け)にはこれと似たデザイン処理が施されており、グリル内の逆台形は日産SUV共通のモチーフとなっている。さらに、新型ウイングロードに似た顔つきとも言える。ラジエターグリル左右とバンパー内エアインテークには存在感ある太めのルーバーが配されており、端正な中にも力強さと安定感が見出せる。また、バンパー両端には丸いフォグランプが配されるようだ。

 右下のナマ写真を見てビックリするのがノーズの傾斜角だ。Aピラー下端からラジエターグリルに向かってボンネットフードが大胆にスラント。先端の見切りが悪い半面、クルマの直前にある低い障害物は発見しやすそうだ。それにしても、ここまでノーズが前下がりということは、エンジンの搭載位置もさほど高くないのだろう。

 続いてサイドビュー。いま触れた前下がりのフロントノーズに加え、リアハッチにも適度な傾斜角が設けられている。まさに同社SUVラインナップの中でトンガリ指数の高いムラーノに酷似。というワケで、スクープ班ではコイツを「プチ・ムラーノ」と呼ぶことにした。中村史郎デザイン本部長が指揮をとっている最近の日産ラインナップに組み込まれ、“中村ワールド”の一員であることがイヤというほど伝わってくる。

 ちょうどリアハッチに日が当たっていることで、バックウインドウ下のコンビランプ形状も明らかになった。ここはムラーノほど大胆ではなく、オーソドックスな横長デザインにまとめられている。

 ところで、気になる車格だが、タイヤとボディの大きさを見比べると、ムラーノより小さいことが読み取れる。つまり、プチ・ムラーノは「日産バリューアップ」に含まれる、コンパクトSUV市場をにらんだ新ブランドである可能性が高い。さらなる追跡調査で判明した事実は下記で紹介しよう。

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外観シルエットはムラーノそっくり!
真横から捕らえたワンショット。注意深く観察するとリアコンビランプが横長デザインにまとめられているのが読み取れる。フロアはエクストレイル並みに高く、ホイールは5本ボルト留め。
こちらはドアも含めて全身が黒い擬装シートで覆われたテストカー。ドアやボンネットフード擬装の内側にはアンコが詰められているようで、不自然に凸凹している。
も、もしかしてコイツがウワサのCプラットフォーム用いた
社内呼称 P32K?

 
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右ハンドル車も同時捕捉
右ハンドル車も見つけた。すなわち、これは国内やイギリス、オーストラリアなど右側通行の国でも販売されることを意味している。顔つきは左ハンドル車と同じで、中央にはCIエンブレムが。
魅惑的な後ろ姿はまるでティーダ
後ろ姿には最近の日産車らしいテイストがムンムン漂っている。緩い曲線で描かれたバックウインドウがティーダやムラーノに似ているうえ、横長コンビランプはインフィニティFX45を思い起こさせる。

エクストレイル後継車か!? 生産は九州工場が担当する
 ナゾだらけのプチ・ムラーノを捕らえたスクープ班は、早速、日産の内部事情に詳しい情報筋にあたって話を聞いた。その結果、確かに社内で真新しいコンパクトSUVの開発が進められていることがわかった。生産はラフェスタやセレナと同じ九州工場で行われるため、Cプラットフォームが共有される可能性が高い。さらに、開発コードにP32Kが与えられていることも判明。

 ところで現在、九州工場ではエクストレイルが生産されている。こちらは当初、年内にも一新されると思われていたが、その後、延期されたとのウワサ。そこへ来て、プチ・ムラーノの出現となれば、コイツが後継車か?と考えたくもなる。反面、エクストレイルがウリにしてきた実用的でハードなイメージから一転、 “デザイン命”の雰囲気が漂うプチ・ムラーノにその役割が果たせるのか、疑問も残る。

 後ろ姿を見ても、エクストレイルのような切り立ったリアハッチは見当たらず、前ページで触れたように適度に傾斜。下端が緩やかな曲線を描いているバックウインドウと、その中央に設置されているワイパーはティーダにも似ている。うん、やっぱり、どこから見ても“中村ワールド”に属しているデザインだ。残念ながらリアクォーターピラーは見えないが、ここはムラーノやティーダと同じく、末広がりの台形にまとめられている可能性が高い。

 前ページ掲載のテストカーが左ハンドル車だったため、スクープ当初は「海外専売車かもしれないな」との見方が編集部内でも有力だった。しかし、追加情報としてカメラマンから届けられたナマ写真で右ハンドル車の存在が浮上(写真左上)。ボディ全体の擬装は重く、左ハンドルのテストカーと比べてディテールが識別しづらいが、それでも同じコンパクトSUVであることは説明するまでもない。

 搭載エンジンにはMR20DE型2リットル直4が起用される可能性が高い。もちろん、トランスミッションは日産が得意としているエクストロニックCVTだ。

 04年度下期にSHIFT-6車を発売した後、なんとか「日産180」を終えた同社は、その後、ニューモデル投入のテンポを落としている。販売現場からは「新型ウイングロードが不調」といった声も聞こえており、「日産バリューアップ」を進めるにあたって、まだまだ前途多難のようだ。プチ・ムラーノがその突破口となることに期待したいね。

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足元には5本スポークのアルミホイールを履いているようだが、黒いテープが貼られて形状がゴマかされている。ハッチゲートにも適度な傾斜が設けられている。
セレナにハイウェイスター復活

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ラフェスタ同様、セレナにもエアロ仕様のハイウェイスターが追加される。やはり日産のミニバンからは外せない存在として最終仕上げが行われており、夏のボーナス期を迎える6月頃にも追加される公算が大きい。専用バンパー装着でクールにキメてステップワゴン追撃を目論む。
スタートダッシュ オデッセイMC情報

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アブソルートはアルミホイールが18インチに拡大され、足まわりのチューニングとステアリングギアレシオに手が加えられる。 左右のテール&ストップランプを結ぶレッドガーニッシュが目新しいリアビュー。リフレクターはバンパー下部に移される。
 3チャンネルが統合されて新たなスタートを切るホンダの国内販売網。それに合わせて4月に登場するのが新型オデッセイだ。現行モデルが人気を集めているだけに、その良さを踏襲しつつ、さらなる魅力アップが図られる。

 外観ではラジエターグリルのルーバーが3本から2本に減り、フロントバンパー内のフォグランプ周辺も変更。一方、リアではターンシグナルとテール&ストップランプが上下逆に入れ替わり、後者にはLEDが用いられて先進的なイメージが打ち出される。また、同時にメッキモール付き赤ガーニッシュの装着によってワイド感も演出。アブソルートではアルミホイールが18インチに拡大され、サスペンションやダンパーのチューニングも見直される。

 インテリアで注目したいのが新カラーの採用だ。モーブ内装とグレー内装がそれぞれ新色に切り替わり、アブソルートには開放感あるウォームグレーも新設。なお、アブソルートのレカロシートおよび内装レッド照明は廃止され、照明色はブルーに統一される。

 グレード展開で朗報なのが廉価モデルのカムバックだ。現行モデルは一部改良で販売量の少ないSグレードが廃止されたが、MCを機に5速AT搭載(他グレードはCVT)でプライバシーガラスやHIDヘッドランプ、セキュリティアラームが省かれたBグレードが登場。なお、特別仕様車Mエアロ・エディションは同エアロ・パッケージとして継続設定される。


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