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ジェイド2回目の試験でプログラムを修正」とホンダが説明。 「安心して乗れる」ためプログラム修正には応じていない。

2015.11.24

アルミ製テープとスポンジをミリ波が通り抜け
アルミ製台座をダミーと誤認識

ジェイド2回目のASV試験でプログラムを修正とホンダが説明。「安心して乗れる」ためプログラム修正には応じていない。

 ホンダ広報部に取材した。以下はホンダ広報部の説明だ。
 ジェイドは6月末に(ASV評価の)申請が受理され、7月に試験を受けた。例年4月に予防安全試験の規定が変わることが多いので、それまで受験を待っていた。実際、今年からリアカメラが追加された。ASVプラスをきちんと取りたいと考えた。
 1回目の試験結果については、正直、「こんなはずはない」と思った。そこで「もう一度、チャンスが欲しい」と(NASVAに)お願いして10月末に2回目の(生産ラインからの車両)抜き取りとASV試験を行ってもらった。7月の試験結果を先に公表すると(ユーザーに)いらぬ誤解を与えると考え、2回目の試験結果と同時に公表してもらうことにした。

アルミテープの貼付位置は、公開されているダミー仕様と研究所で使用した仕様とで同一だった。NASVA試験時の ダミー固定に使用される台座がアルミ製で、車両から見てダミーの奥側に垂直に設置されたアルミ製台座をレーダーが誤認識した。長方形のアルミテープはダミーに2箇所貼付され、その2枚の 間にアルミテープが貼られていないスペースがあった。SENSINGのレーダーが、そのアルミテープの間を通り、 ダミー素材であるスポンジを通り抜け、その奥にあるアルミ台座に反応したことが、1回目の試験結果につながった。
加えて、研究所での検討段階ではJADEのSENSINGは作動していたものの、設置角度の微妙な差及びその固定方法の 違いによりダミーの認識に差が出た模様と考えられ、2回目の試験では、その認識精度を見直して再試験を行った。
2回目の試験車両に搭載されたホンダセンシングは、ランニングチェンジされたもので、ジェイドを皮切りに今後、各車に搭載していく。
 この改良では「対ダミー性能」を見直したものなので、ミリ波レーダーで感知される車両や人などの対象物にはちゃんと反応する。したがって市販車においては、車台番号の違いによる性能は変わらない。お客様相談センターでも、お客様に対しては、「有償無償を問わず、部品交換やプログラム書き換えなどには応じていない。現状のままでお客様には安心してお乗りいただけます」と説明している。

ホンダでは、すでにレジェンド、ステップワゴン、オデッセイなど他のホンダセンシングについても、ASV受験を「予定している」(広報部)と話している。
なお、自動ブレーキに詳しい事情通によれば、「ミリ波レーダーはもともと動く対象物には強いが停止している対象部の検知は苦手」とも指摘する。また、リアルワールドでは検知する対象物は千差万別で、「対策前のクルマが本当に対策後のクルマと同等の性能を有しているかどうかは分からない」との見方もある。
 国交省に対しては、ダミーターゲットの設置方法やメーカーからお金をもらっても公平性をより担保する方策などについて今週内にも回答をもらうことになった。
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/02assessment/data/h25_4_3_2.pdf
添付とリンクはASV評価の要領(資料:国交省)

取材・文/神領貢(マガジンX編集長)


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