ZFがモータースポーツ向け新型トランスミッションを発表

ZFでは、「8HP」オートマチック・トランスミッション（AT）を2014年シーズン以降の「BMW M235i Racingカップ」（ワンメイクレース）にて品質を実証してきが、このたび、次なる進化として「8P45R」モータースポーツ向けトランスミッションを発表。ニュルブルクリンクで10月末に開催されたVLNレースでデビューを果たした。

本来ATはモータースポーツにはあまり適さないシステムと考えられてきたが、シフト・ミスによるメカニカル・ダメージや、ドライブ・シャフトに対する致命的な損傷およびアンバランスな挙動を誘発するようなシフト・ショックを回避することができることもあり、「8HP」ATによって「BMW M235i Racingカップ」に参戦するドライバーは周囲の状況とトラックにほぼすべての集中力を注げるようになった。

今回発表した新型の「8P45R」は、基本的な設計と構造（4つの遊星ギア・セットと5つのシフト・エレメントで構成）は以前の「8HP」トランスミッションからそのまま引き継がれているが、トランスミッション内のコンバーターを廃止。発車プロセスは内部のシフト・エレメントによって実行され、トランスミッション・インプットの上流側に位置する振動ダンパーがエンジンの振動によるダメージを防ぐようになっている。

また、ギア・レシオの間隔が狭くなっており、ギア間の回転数の減少が抑えられている。以前の「8HP」トランスミッションではレースの際に通常1～6速のギアのみが使用されていたが、今回の新しいトランスミッションでは8速までのギアすべてが動作レンジ内に適切に配置されている。

ZFでは、2016年第2四半期にこの「8P45R」トランスミッションの市場投入を予定している。当初は「BMW M235i Racing」にのみ提供されるが、将来的には他メーカーのスポーツカーにも搭載を拡大していく計画。

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