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マツダ、新開発の2.5L直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」を新型「マツダ CX-9」に搭載

2015.11.24

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マツダは、新世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」シリーズの最上位エンジンとなる2.5L直噴ガソリンターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」を新開発した。2016年春より、北米から販売を開始する新型3列ミッドサイズクロスオーバーSUV「マツダ CX-9」に搭載する。

 

SKYACTIVエンジンではシリーズを通じ、カタログ上の数値だけでなく、ユーザーの実際の使用シーンで優れた動力性能と燃費性能を両立することを追求している。またその両立を、搭載車両の車格に応じた最適な排気量と最もシンプルな構造で提供することを開発コンセプトとしている。「SKYACTIV-G 2.5T」は、同コンセプトに基づき、「SKYACTIV-G」シリーズ初のターボエンジンとして開発された。アテンザなどに搭載されている自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 2.5」をベースに改良を加えることで、卓越したカタログ燃費・実用燃費とともに、新型「CX-9」の使用シーンの9割以上を占める中低速領域でのリニアで力強い加速感、ターボラグのない良好な応答性を実現。4LV8自然吸気ガソリンエンジン並みの最大トルク310ft-lbを発揮する。

 

従来型のターボエンジンには、「ターボラグに代表される低速領域での動力性能の悪化」と「実用燃費の悪化」という二つの問題点があった。しかし「SKYACTIV-G 2.5T」は、運転条件に応じて排気の脈動状態を変化させる世界初の機構を持った「ダイナミック・プレッシャー・ターボ」と、理論空燃比領域を拡大する「クールドEGR」の活用などによって、これらの問題を克服している。

 

■「SKYACTIV-G 2.5T」の特長

  • 高圧縮比

ボアサイズ89mmのレギュラーガソリン対応型直列4気筒ターボエンジンとして最高レベルの高圧縮比10.5を実現。

  • ダイナミック・プレッシャー・ターボ

運転条件に合わせて排気の脈動状態を変化させる世界初の機能を持つ。1620rpm以下の低速域では、タービンの手前に設置したバルブを絞ることで、各排気ポートからの排気が互いに干渉することを抑制し、排気圧力の脈動を活用して高いタービン駆動力等を得る。一方で、十分な排気エネルギーを得られる高速域ではバルブを開き、通常のターボと同様の脈動の少ない状態で稼働。タービンに流れ込む排気の流速や方向を調整する従来の可変ターボとは異なり、排気脈動の制御に着目した独自の新技術。

  • クールドEGR (Exhaust Gas Recirculation)

燃焼後の排気ガスの一部を取り出し、EGR クーラー後の低温不活性ガスとして再度吸気することで、燃焼温度を低減させてノッキングの発生を防止し、理論空燃比領域の拡大と点火タイミングの最適化によって燃費を改善。

  • 「SKYACTIV-G」の高効率燃焼の踏襲

ベースとなる自然吸気エンジン「SKYACTIV-G 2.5」とボア、ストローク、ボアピッチなどの基本諸元およびインジェクターや燃料ポンプなどの燃料系部品を共通化して「SKYACTIV-G」の高効率燃焼を踏襲。ターボ化にもかかわらず軽量コンパクト化を実現。

 

■「SKYACTIV-G 2.5T」の主要諸元(社内測定値)

直列4気筒2.5L直噴ガソリンターボエンジン

排気量: 2.488L

ボアxストローク: 89.0mm x 100.0 mm

圧縮比: 10.5

最高出力(ネット): 227HP〈169kW〉/5,000rpm

最大トルク(ネット): 310ft-lb〈420Nm〉/2,000rpm

 


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