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WWFとトヨタ、「生きているアジアの森プロジェクト」と気候変動分野で協働

2016.7.21

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WWF(World Wide Fund for Nature, 世界自然保護基金)とトヨタは、持続可能な社会の実現に向けて、5年間のパートナーシップを開始した。これは、自動車業界として世界初、日本企業として初の、WWFグローバル・コーポレート・パートナーシップ。

 

WWFとトヨタは、生物多様性の保全と脱炭素社会の実現に向けて、様々な協働を行い、「人と自然が調和して生きられる持続可能な社会」の実現をともに目指すという。また、このパートナーシップが、地球環境保全に向けたステークホルダーの意識の高まりに寄与することを期待するそうだ。

 

このパートナーシップは2016年7月1日に発効。具体的には次の協働を行う。

 

生物多様性保全の取り組みとして、トヨタは「生きているアジアの森プロジェクト“Living Asian Forest Project”」の支援を開始。このプロジェクトは、WWFが東南アジアの熱帯林と野生生物を保全するために実施してきた活動を強化し、また新たな保全活動へと展開するもの。活動場所は、WWFが世界の優先保全地域に指定しているインドネシアのボルネオ島(カリマンタン)とスマトラ島に加え、将来はメコン地域へも拡げていく予定だ。

 

このプロジェクトは、木材、紙パルプ、パーム油、天然ゴムといった自然資源の持続可能な生産と利用を実現するための活動を含む。これらの産品の非持続可能な生産や利用は、東南アジアにおける熱帯林の破壊や絶滅危惧種の脅威の主な原因の一つとなっているからだ。

 

トヨタは、2016年に100万米ドルを「生きているアジアの森プロジェクト」に助成し、このプロジェクトへの支援を5年間継続する予定。トヨタにとってこの支援は、2015年10月に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の実現に向けた重要な取り組みの一つ。「トヨタ環境チャレンジ2050」は、2050年に向けて、地球環境の問題に対しクルマの負荷を限りなくゼロに近づけるとともに社会にプラスをもたらすことを目指しており、6つのチャレンジ項目の一つに「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」を掲げている。

 

特に今回のパートナーシップでは、森林生態系を保全するためには、天然ゴムの持続可能な生産と利用が重要であると考え、これを普及する活動に注力するという。自動車用タイヤの主要原料である天然ゴムは、今後需要が一層拡大することが見込まれている。トヨタは、天然ゴムの環境・社会課題を理解し、産業界・他のステークホルダーとも協力して、WWFが推進する天然ゴムの持続可能性に関する国際基準の策定等へ積極的に貢献していくことを目指す。

 

気候変動の分野では、「トヨタ環境チャレンジ2050」における「CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けて、トヨタは、WWF等が推進する気候変動問題の取り組みである「Science Based Targets」に参加登録を完了。WWFとトヨタは、脱炭素社会の実現を目指して継続的に協働していく予定だ。


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