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トヨタ自動車、バーチャル人体モデル「THUMS」に“子ども”モデルを追加

2016.6.22

 

トヨタ自動車は人体に衝撃が加わった際の傷害をコンピューター上でシミュレートできるバーチャル人体モデル“THUMS(サムス : Total HUman Model for Safety) Version 4”に10歳、6歳、3歳の“子ども”モデルを追加し本年秋から販売するという。

 

THUMSは人体各部位の傷害程度を予測することが可能でエアバックなど乗員保護装置の技術開発に活用され、クルマのさらなる安全性能向上に貢献している。また、THUMSはNASCAR(ナスカー : National Association for Stock Car Auto Racing 全米自動車競争協会)のレース事故におけるドライバーの肋骨骨折を低減するシート形状規格などモータースポーツ分野でも活用され、その用途を拡大しているそうだ。

 

今回“THUMS Version 4”に追加する10歳(身長138cm相当)、6歳(身長118cm相当)、3歳(身長94cm相当)の“子ども”モデルは、各年齢の平均体格を表現しており、これまで発売してきた“大柄男性”モデル(身長189cm相当)、“成人男性”モデル(身長179cm相当)、“小柄女性”モデル(身長153cm相当)と同様、乗員と歩行者の姿勢を模擬した2タイプ(計6タイプ)を揃えている。ラインナップの充実により、年齢や体格差による影響まで考慮した、より幅広い傷害解析が可能となるという。

 

トヨタは2000年に“THUMS Version 1”を市販開始して以来、2003年の“Version 2”で顔面・骨を、2008年の“Version 3”では脳を、2010年の“Version 4”では脳や内臓の形状をはじめ骨格、内臓との位置関係や結合状態まで精密にモデル化してきた。さらに、2015年の“Version 5”では衝突前の乗員身構え状態を模擬できる筋肉モデルを追加するなど、THUMSは継続して改良・進化を重ねてきた。

 

今回追加する子供モデルは、米国ミシガン州のToyota Technical Center内に設置されている「先進安全技術研究センター*」(CSRC : Collaborative Safety Research Center)が、米国のウェインステート大学(Wayne State University)やミシガン大学(University of Michigan)と共同で実施した研究成果(身体形状データ)などを活用して作成されたという。

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