社内コード730Lを掲げて開発されている次期モデルは、いちだんとシャープな印象に生まれ変わって登場する。
その象徴とも言えるのがボディ側面を前後に貫いているプレスラインだ。
ウィッシュやプリウス同様、ウエストラインのすぐ下に凹状の面が設けられ、躍動感を演出。
ひたすら大きく見せようとしてムチムチに膨らんだ現行モデルと違い、抑揚のあるデザインに仕上がることは想像に難くない。
08年11月号に独占掲載したレガシィ短縮版のナマ写真を覚えている読者も多いだろう。
あのテストカーはトヨタ&スバル共同開発スペシャリティの基本性能を確かめるために製作された先行開発車両だった。
ワイドトレッドをゴマかすために前後フェンダーが拡幅され、ホイールベースとリアデッキがそれぞれ短縮されて最終寸法に近いテストカーとして組み上げられていた。
インサイトVSプリウスで盛り上がっているホンダとトヨタの因縁の争いは、ホンダが先鞭をつけた後にトヨタが“後出しジャンケン”で性能や価格で優位な新型車をぶつけてくるパターンが多い。
しかし、逆のパターンもある。その典型的な例がCR-Vだ。
「なんで、いまさらウィッシュの擬装姿なんか見せるんだよ!」と、お叱りの声も聞こえてきそうだが、チラリと見えたテストカーはウィッシュに似ているものの、じつは別ものだ。
スリット状のグリル、フェンダー側に回り込んだヘッドランプ、そしてボンネットフード先端に設けられた楕円形の大きなマークなど、ウィッシュにも見られるディテールが並んでいるが、このナマ写真はトヨタ最大のミニバンであるシエナを捕らえたものだ。